来年も暖冬は続く?

お役立ち情報

G馬場も雪が嫌いだった

三条市出身のプロレスラー、故ジャイアント・馬場さんがかつて、故郷の豪雪の感想をスポーツライターに聞かれ、
「雪? あんなもん、無いほうがいい。あれがあるから経済は停滞し、俺みたいに冬は出稼ぎに行かなきゃならないんだ」
と吐き捨てるように答えたのを、私は子供心に感心しながら記憶に刻んだものです。当時まだ小学校4年生、ティーンの入り口にさしかかっておりましたが、やはりまだまだガキの部類でして、朝目が覚めて外に雪が積もっていると、さっそく家を飛び出して雪と戯れたものです。しかし大人たちは恨めしげに鉛色の冬空を睨みつける。どうにもそれが理解できなかったのですが、やがて自動車の免許を取り、アイスバーンで怖い思いをしたり、スタッドレスタイヤの出費に喘ぎ、さらに開業してからは、前夜の降雪予報で「平野部でも最大〇〇センチの積雪」と聞けば暗澹とした面持ちでさっさと床に就き、翌朝は未明から暖かな布団の海を抜け出さねばならない。これが本当に辛いのです。資金力の乏しかった私は、外構設備にあまりお金をかけることができず、歯科クリニック開業以来、一部をのぞいて計7台分の駐車スペースを人力で除雪しなければなりませんでした。
 で、体調に自信が持てなくなった今冬、ガソリンエンジン駆動のロータリー除雪機の購入に踏み切りました。

けっこう痛い出費ではありましたが、シーズン始めに降った雪での試運転では快適そのもの。どうしてもっと早くに導入しなかったのか(答・高価だから)悔やまれました。そして次の降雪を待ったのですが……殆ど雪が降らないまま3月を迎えてしまいました。

地球温暖化の方が新潟は豪雪…のはず???

気象予報士諸氏によれば、今シーズンは記録的な超暖冬だそうでしたが、九州北部や首都圏ではそこそこの豪雪(といっても数センチ)だったらしく、新潟の雪をそちらに行ったようで申し訳ない気分になったものです。
いつもの年なら、数センチの雪でガタガタしやがって!と憤慨したものですが、それも朝のワイドショーで美形女子アナが、「おはようございます! 東京の空はごらんのとおり雲ひとつない爽やかな朝を迎えております♡」なんて言うのを、こちとら日が昇る前から雪のけ(新潟弁)だぜぃ、と心中に悪罵を吐き出した反動ではありますが。
で実際、2月中旬に上京した際に新幹線の車窓から眺めた越後三山の様子がコレ↓↓↓

魚沼駒ヶ岳(左)も八海山(右)も7合目以上には雪が積もっているものの、麓には山肌が見える。加えて、浦佐の町並みにも雪が積もっている様子は見られません。例年ならば、粉砂糖をまぶしたクリスマスケーキのような風情なのに。
地球温暖化の現れだ、と街の古老は眉をひそめますが、この超暖冬、小雪はかなりの確度で予想されていたことです。
まず全地球的な温暖化は、日本海を北上する対馬暖流の水温上昇を招き、新潟に豪雪をもたらす水蒸気の供給源になる、つまり温暖化によって巨大な雨雲が形成されてまいりました…が、それは昨シーズンまでの話。今シーズンは、超暖冬で上空に寒気が流れ込んでこないために、雪の結晶が地表に届く前に雨になってしまう。事実、2月以降は雨続きでした。新潟より北の秋田、青森、北海道では豪雪になったのは、この上空に流れ込んでくる寒気が新潟より強いことによるものです。ですからさらに温暖化が進めばいずれ、秋田にも雪が降らなくなることでしょう。

エルニーニョよりダイポールモード

さて、みなさんはお気づきのことと思いますが、最近の天気予報は高い確立で的中します。これはひとえに大気や海流といった流体の計算に長けたスーパーコンピューターのなせる技なのです。かつては「当たらない」ことにゲンを担いで、生ものに当たらないよう気象庁の方角に一礼したとか。その汚名を返上したのがスーパーコンピューター『京』。大企業が保有するワークステーションでも数カ月を要する計算も、スパコンならばわずか数秒で終えてしまう。

かつて世界最速を誇った富士通のスーパーコンピューター『京』も今では世界第四位~六位くらいだそうですが、それでも驚異的なマシンであることに変わりはありません。しかし、いくらマネーで負けたとは言え、世界一からの転落は日本人としての誇りを失ったような気がしますよね。この人が言ったように、やはり二位ではいけないんです!

で、エルニーニョなんですが、南米チリ沖の海水温が高いとか低いとかで、エルニーニョ(男の子)現象、ラニーニャ(女の子)現象と変化して、全世界的に気候が変動することがわかり始めてすでに30年以上が経過しました。穀物や原油の先物相場にも影響を与えるグローバルな気候変動であるわけですが、そもそもこのエルニーニョがどうして発生するのかがわかっていなかった。それが5年ほど前に、インド洋の海水温が原因らしいことがわかってきて、全地球的な気候変動はこいつが原因らしいのです。

上図は日本に小雪・暖冬をもたらすパターンですが、何度説明されてもなかなか理解できない。いや、理解しなくてもよいのかもしれませんが、名前くらいは記憶していても損はないでしょうかね。