長生きするためのテクニックは存在する!
不老長寿──人類永遠の願いであり、叶わぬ夢ではありますが、ならばせめて健康に老いて、誰にも迷惑をかけず安らかな最期を迎えたいと願うのが自然ではないでしょうか。数ある生物種の中で、命が限りあるものだと認識しているのは恐らく人類だけでしょう。〝恐らく〟としたのは、集団で暮らしている野生のチンパンジーやゴリラ、ゾウは、仲間の死を通して、やがて自分は土に還る存在なのだと認識している可能性があるそうですが、まあそれは置いといていて、と……。
権力を手にし、富と名声の絶頂にいる者が最後に欲するのが不老長寿であると言われるのは歴史が証明しております。現代に於いても半島の某国では、将軍様の健康長寿を目的とした機関が存在したそうですし、古くはキングダムでおなじみの秦の始皇帝は、不老長寿の仙薬を求めて蓬莱の国、すなわち日本へ人材を派遣したり、長寿に良いと信じて少量の水銀を飲んでいたとか。将軍様はともかく、始皇帝については散財と逆効果以外の何ものでもなかったはずです。
どうしても死は避けられないと割り切っていたのは古代エジプトのファラオたち。彼らは、来世での復活を期すべく自らの肉体を未来へ残すために乾燥遺体、すなわちミイラになりました。ひとくちにミイラ(木乃伊)と言っても、我が国の僧侶たちが五穀、十穀を絶って身を枯らし即身仏になったのとはちと違いますが、やはり不滅の命というのは古今東西、永遠の憧れなのでしょうな。

腹八分目に医者要らず、は真実
まあ食べ過ぎは良くないということは誰でもわかってはいることですが、ついつい食べすぎてしまう。普段からカロリー気にしている人でも「ええい、今日はチートデーだ!」と何かと言い訳をして食べちゃいますよね。お酒もしかりです。どうして食べすぎてしまうのかといいますと、人間は満腹になるまで食べちゃうように進化してきたからなのです。我々が祖先から受け継いできた遺伝情報のなかには飢餓遺伝子というものがありまして、現代のように、いつ食料が手に入るかもわからない太古の昔、脳の満腹中枢が発する『もうお腹いっぱいだよ~!』という指令を無視してしまうことがある。特に、食べ物にありつくまでにひどい空腹を経験していると、この満腹中枢のリミッターがはずれて摂食中枢が優勢になってしまいます。進化の過程で獲得した、食べられる時には食べておけ、という生存戦略でもあるわけです。だからダイエットや断酒中に、飢餓遺伝子が囁く悪魔の誘惑に屈しやすいのは当たり前なのですww
今さら申すまでもなく、カロリーの過剰摂取は身体に良くありません。糖尿病、高脂血症、脂肪肝……これらの状態が引き起こす病気を挙げればキリがありません。さらに悪いことに、太るのは簡単だが体重を落とすのは難しい───もちろん、食べることが生物種としての生き残り戦略の基本なわけで、目の前にご馳走を並べて、それを我慢しなさいどいうのは鉄の意志の持ち主でも無い限り、かなり難しい。そして日本人には、厄介な遺伝子がもう一つ備わっている人が多い。それは〝節約遺伝子〟。正式な名前は忘れましたので、あっさりスルーさせていただきますが、その遺伝子の役割とは、少ないカロリーで生活できるように糖質を効率よく分配する、余った糖質は脂肪として蓄えようとする(遺伝子か酵素かは忘れましたがアディポネクチンだったかな? 詳しい人、教えてください)。いわば少ないガソリンで長距離を走れるハイブリッドカーのようなもの。これで食べなければいいのですが、例の飢餓遺伝子が悪さをして、食べてしまう⇒⇒⇒蓄えてしまう。この節約遺伝子を持っている率が高いのが日本人やエスキモー(イヌイット)、そのなかでもポリネシア人は高確率! だから、ハワイ出身の力士やその家族に恰幅の良い人が多いのも頷けますよね。

というわけで、現代人の肥満が、本来なら飢餓に対処するために遺伝子が仕組んだ生存戦略、それが飽食の時代にあっては裏目に出てしまった格好なのですが、ではかつての人類が味わったような飢餓状態では再び機能するのか?───じつはイエスなのです。
下の写真をご覧いただきたい。
左は普通に食事を与えたアカゲザル、右は食事量を3割減らして飼育した結果なのですが、どなたの目にも明らかなとおり、食事制限をしたサルが若々しく長生きという結果になりました。

これはどういうことなのか……。
飢餓遺伝子が発動するような事態は、生命存続も危うい過酷な環境におかれているわけで、身体を守ろうとする機構が積極的に働きます。特に遺伝情報が乗っかるDNAの損傷については、これを修復する遺伝子──サーチュイン遺伝子が働き、細胞レベルからの老化を抑えてくれます。
欧米には、サーチュインを活性化させるべく食事制限を推奨する民間団体がありまして、そこそこの広がりを見せております。
腹八分目に医者要らずとは、いにしえからの経験によって人々の間に蓄積されてきた英知。もはや民間伝承、単なる諺の類ではないのです。
えっ! じゃあ大食いのギャル曽根ちゃんは短命なの?
と彼女の将来を心配する向きもございましょうが、これにはあたらないと思います。
あくまでも個人的な推論ですが、ギャル曽根ちゃんの大食いは、言わば胃の機能不全がもたらしたある種の異常であるようです。
食物が胃に入りますと、まず胃酸により初段の消化がはじまるわけですが、ギャル曽根ちゃんのような大食いが可能な人は事情が異なります。通常ならば、食物が胃でこなれないうちに十二指腸へ流れて行かないよう、胃の出口である〝幽門〟をきっちりと閉めておく必要があるのですが、彼女の場合、この幽門の閉まり具合がゆるゆるらしく、胃からさらに先の十二指腸、小腸へ食物を詰め込むことが可能……というか、そうしないと胃が充分に膨らまずに満腹感を得られないらしいのです。
ですから大食いバトルの収録のあとの彼女のお腹は、妊婦さんかと見紛うばかりに膨れ上がり、さらにはトイレに駆け込んで消化が不十分なままの食物を大量に排泄しなければならないようです。
あ、これ、彼女と共演した芸人さんの目撃(というかトイレから聞こえてくる音)情報が元ネタですから医学的な裏は取れてないですよ。ただ、私には信じるに値する記憶がございました。
かつて新潟の繁華街・古町には、コシヒカリの美味しいおにぎりが食べられる専門店〝おにぎり越後屋〟というお店がありまして、なんと、おにぎりを15個食べると無料になるチャレンジサービスがありました。今は越後屋さんは駅前へ移転し、大食いチャレンジもないようですが。


私の学生時代、かなり多くの同級生がチャレンジし、そしてあえなく惨敗を喫したわけですが、当時の店長の言葉がすかしている。
『大食いにデブはいない』
これを聞いていたので、ギャル曽根ちゃん幽門ゆるゆる説は信憑性が高いと思いましたね。たしかに彼女はデブっていない。そして、同級生でおにぎり15個を制覇した稀有な人もデブっていないどころか、ガリガリに痩せている。つまり彼もギャル曽根ちゃんもただ単に〝燃費の悪い身体〟ということになりそうです。きっと二人とも、意図せずに飢餓状態になっており、サーチュイン遺伝子の働きで長生きすることでしょう。
今回の長生きの科学、次回に続きます(笑)