女の敵は女なのか?

コーヒーブレイク

我が国初の女性総理誕生! しかし……

わたしには政治信条なんてものはありませんので当然、支持政党もございません。いわゆる無党派層でありますが。かつて中国の鄧小平首席が、〝白い猫でも黒い猫でも、ネズミを捕るのが良い猫〟と言って開放政策を押し進めたように、与党でも野党でも国民のためになればよいわけです。
で今般、高市さんが総理になりましたね。トランプさんをはじめ、近隣諸国の首脳とも、表向きは歓迎ムードで、就任前に言われていたタカ派ムードがなくてけっこうだと思います。
ま、それは置いといて、高市さんが総理総裁に選ばれた時点で私が違和感を覚えたのは、女性の社会進出を声高に叫び、いわゆる男社会へのアンチテーゼを訴え続けてきた女性論客諸氏の反応でした。

このお二人、大阪よみうりテレビ「そこまで言って委員会」では楽しい犬猿の仲を見せてくれます

「せっかく(あなたが、あれほど望んだ)女性総理が誕生したのに、あんなものは女ではないと言い放つとは何事か?」と明治天皇の玄孫であられる竹田恒泰氏が、フェミニストの田嶋陽子氏に食ってかかれば、「女なら誰でもいいってわけじゃないんだよ!」と応酬。また、「朝まで生テレビ」では、女性総理に誕生に痛烈に駄目出しする福島瑞穂氏に対し、MCの田原総一郎さんの発言が物議を醸しましたが、騒動とは別に嫌な気分にはなりましたね、いろいろと。

田原総一朗氏「あんなやつは死んでしまえ」発言、ネット民は「死んでくださーい」発言のフワちゃん想起「この差はなに?」
BS朝日が2025年10月21日、19日放送の討論番組「激論! クロスファイア」でのジャーナリスト・田原総一朗氏の不適切な発言について、厳重注意を行ったとの報道が注目を集めている。「高市に、大反対すればいいんだよ。なんで高市を支持しちゃうの...

女の敵は女……真理なのか?

そんなに男社会が嫌ならば、たとえ政敵であろうとも、とりあえず女性総理の誕生を良しとすればよいのに──と思うんですけどねえ。世界的に見てもアメリカではヒラリー・クリントンさんが大統領になりかけたし、イタリアのメローニさん、ドイツのメルケルさん、古くはイギリスのサッチャーさんのように、ようやく日本も女性の政界進出においては世界標準の達成……だったはずなのに、田嶋陽子氏や福島瑞穂氏の嫌悪ぶりを目の当たりにして、真っ先に思い浮かんだのが、ユーミン(松任谷由実さん)が歌う「魔法のくすり」の一節。

男はいつも最初の恋人になりたがり
女は誰も最後の愛人でいたいの

何気に口ずさんでいた曲ではありましたが、高市総理誕生をきっかけに、「ははぁ~なるほどね!」 と膝を叩きましたよ。江戸時代頃からでしょうか、女房と畳は新しい方がいい(失礼!)と申します。糟糠の妻もいつしか疎ましく思うようになった男性諸氏が、いそいそと吉原にでかけていく様を揶揄、あるいは擁護したものと思われますが、これを女性側から見れば、いつも愛されていたい、自分だけを愛して欲しい、との想いの裏返しではなかろうかと思うわけであります。だって、よく言うじゃありませんか。〝釣った魚に餌はあげない〟って……。うちの旦那に限って、そんなことはないよぉと思った奥さん方、よーく思い出してください。恋人としてつきあい始めた頃は「〇〇ちゃん」、新婚時代は「〇〇」と呼び捨て、そしていつしかぶっきらぼうに「オイ」になる。そりゃあ奥さんがただって百年の恋も冷めますよね。
ま、綾小路きみまろさん風に言うなれば、そのような冷めた扱いがいずれ「あれから40年、亭主は粗大ゴミ」となるのでしょうな。

とはいえ、どうやら男というものは、特定の女性と末永く付き合うことは苦手なのかもしれません。じつはこれ、生物学的にも実証されていることでして、特に哺乳類では顕著で、浮気心を起こさないですむ期間の最大値が4年だとか。
だとすると女性はたまったもんじゃありません。
一生添い遂げようと思ったのに、たった4年かそこらで捨てられ他の女のところに行かれてしまう……。だから女の方が嫉妬深い……あ、これ持論ではなく一般論ですからね。

生き物の本質はすべてメス主体

哺乳類の生態を研究している人には当たり前のことなんでが、家系図といいますか、親子関係を語るのは母親が基準に血縁図を描くそうです。まあサルでもライオンでも、父親が誰かがわかり難いからなんですが、これが群を作る動物には往々にしてメス中心になるのだそうです。
有名なのがアフリカ象とライオン。オスはどこからともなくやって来て、一時、ハーレムの頂点に君臨しても、いつしか若くて強いオスにとって代わられる。
早い話が、生物学的にオスは使い捨てなんですな。

一見すると可愛らしいクマノミの群にも、子孫繁栄のためには過酷な生物学的な掟が存在する

ディズニーアニメ『ファインディング・ニモ』で有名になったカクレクマノミという魚類は、いちばん身体の大きな個体がメスになり群を支配する。 そして、そのメスが死ぬと、次に身体の大きな個体が群のリーダーになるわけですが、面白いのが、二番目に身体の大きな個体がオスであった場合、なんと性転換してメスになるのです。性別を決定する性染色体のうち、オスを特徴付ける遺伝子はごく小さく、ヒトのY染色体はそう遠くない未来には消滅してしまうとか。ザックリ言えばオスはメスから派生したオマケ的な存在なんですね。つまり遺伝子的に性別は流動的で、メスからオスを作るのは簡単なわけです。この最たる例がアリやハチ。ぶんぶん飛び回っている働きバチは遺伝子的にはぜーんぶメスなんです。と言っても、繁殖能力のあるのは女王のみ。じゃあオスはどうやって生まれるの? となりますが、オスのハチやアリは、女王蜂が体内に蓄えている精子を卵に受精させてはじめて誕生するのです。

ミツバチの女王は、新しい女王が誕生すると、自らが築いた巣を出て行かねばならない

ですから働きバチはみんなクローンであり、そのうちでローヤルゼリーという特殊なホルモンを与えられた個体だけが女王蜂へと成長する。大切に育てられた新女王はやがて、巣の中でオス蜂と出会い次の女王になる──そして巣から旅立って新天地を目指す──かと思いきや、旧女王の方が巣を去って新たな王国を築くのです。
まるで嫁姑バトルを未然に防いでいるようで興味深いですね。(ただし、アリは新女王の方が旅立っていきます。これは、女王アリが羽を失っているせいなのでしょうか)

女の敵はやはり女──ただし繁殖においては

少し古い格言ですが、戦後強くなったのはパンティストッキングと女、とは申しますが、前述の通り、もともと女は強いのです。卵子を作るコストは精子を作るコストに比べて遥かに割高ですから、繁殖相手を見つけるにも女性に主導権があることになります。そして女性としても、よりよい繁殖相手に人気が殺到するわけですから、争いが生じる。
女子校や女性グループが和気あいあいとしていても、すぐにグループ化され深刻な対立に発展しがち。さらに、ひとたび色恋の競争が起こったらどうなるかは想像に難くないですよね。でなければ、工藤静香さん宛に剃刀の刃が送りつけられたり、福山ロスは起きなかったはず。
あまりクドクド書くと叱られそうですから、この辺で。